夏の思い出


とある小さな島を散策中に見つけた野外展示作品名のプレート。
題名はまるでこの世のちょとした事象そのものじゃない?
作品の形状を例えるなら、時には潤むこともあるであろう、愛してやまない黒々とした両の瞳に思えてしまう。
対象を逃さず見つめる目には、世界がくっきり映っているのが見て取れる。
現在この作品は、厚いガラスの扉に閉ざされ施錠され、その裏側に触れる術は断たれているけれど、
でもね、その目を通してこぼれて落ちて来る光は、私の足元より先を照らしてくれていますよ。